金属屋根の素材3


③銅板


屋根材として使用する銅板は純度99.999% 純銅と呼んでも良い位

純度の高い素材を使用しています

厚さは 0.3mm 0.35mm 0.4mm の3種類を使い分けてます

住宅の屋根には通常 0.35mm厚を使用します

仕入れる際の板の大きさは 4尺x1尺2寸 又は 4尺x1尺5寸

これを私たちは 定尺板と呼びます

これ以外に コイル状の素材があり

板の幅が 1尺 1尺5寸 1尺6寸5分 2尺 などがあります

定尺板 コイルとも 一梱包 一缶あたり50㎏前後の重さに

なっていますので 2尺のコイルは1尺のコイルの

約半分の長さで入荷します


銅板の発注は独特なことがあります

板金業者は 便宜上1尺のコイルを10本とか発注しますが

材料屋さんからの請求は すべて重さでの請求になります


画像は 1尺のコイルの筒ですが よく見ると この材料の

重さが明記してあります 

この明記してある重さは全てバラバラで 10本発注しても

その時によって 重さが違うので 請求も変わってきます

せいぜい 1㎏から1.5㎏ぐらいの違いですが

それから

銅板は価格が変動していることです

金や銀のように相場があり

銅の場合ロンドンでの取引市場の価格が基準となり

為替の変動が考慮され 日本での価格になります

安いときは ステンレスより安い時もありました


この素材の特徴 印象

価格は現在 ガルバの2倍から3倍くらいです

この価格は 通常では問題外ですよねぇ

扱った時の印象は やわらかい の一言です

メーカーでは 加工や熱処理で硬くはしていますが

幾ら硬くしても所詮 銅ですから

ステンやガルバとは比べものには なりません


この銅板 やわらかい がために私たち板金屋は

様々な工夫を 重ねてきました

大きな板のままでは 強度が足りない 

小さく切り 小板にして ハゼで繋ぎ 強度を持たせよう

ハゼが多いと雨漏りが心配 ハゼを工夫して

強度と雨漏防止を 両立させよう

諸先輩たちに脱帽です


他の素材と同様に 様々な工法がありますが

銅ではやらない(できない)工法があります 

波板葺き 

この工法はやったこともありませんし 銅の波板を

見たこともありません

どう考えても 葺いたそばから つぶれてしまいそうです

他にもありますが また別の機会に


ステンと同じようにメンテナンスフリーです

素材のまま使うため 塗装の劣化は絶対にありません

もちろん色の選択肢はありません


銅板=和風建築 と考えますが

工法を選べば ハウスメーカが建てるような住宅にも合うと思います

私も何十棟も和風ではない 住宅で銅板葺きを してきました


先ほども書きましたが 一度屋根を葺いてしまえば 何十年も

手入れをせずに 暮らしていけます

ステンも仮に塗装が傷んでも 屋根が錆びることは ないでしょう

が ステンもガルバも 素材に塗装をした製品です いつかは

塗装が劣化して 見栄えが悪くなるのは 必然です

銅の場合 屋根を葺いた直後は ピカピカ

一か月ぐらいたつと 古い十円玉みたいな色に

半年から一年くらいで 黒っぽい色に なってて来ます

十年から十五年くらいから 緑青が出始め

二十五年くらいで きれいな緑青色になります

銅もステンと同じように手入れ無用の素材ですが

銅は時を重ねると ともに色が変化をし 

最後にきれいな色に仕上がる

他の素材には無い 特徴です










屋根屋です

神奈川県小田原市で 村田板金工業所の屋号で建築板金を 営んでいます。

0コメント

  • 1000 / 1000