平葺 ひらぶき

金属屋根にも様々な工法があります

百年以上前から施工されてきた工法 

メーカーや研究者が新たに開発した工法

屋根材加工メーカーのカタログには何十種類ものの 

製品を見ることができます


タイトルに掲げた 平葺は最も古くからある

工法の一つです

今では製品を販売しているメーカーも

数社ありますが

私は素材を仕入れ 加工して施工してます


上の画像は以前使った材料の余りです


銅板をハゼで繋いで 一本の材料にしているのが解るでしょうか



ハゼの部分を拡大してみました


平葺は胴以外でもガルバやステンでも施工できますが

私への平葺の発注は 銅の平葺が100%です


この平葺の加工方法は

1尺5寸x4尺の定尺板を仕入れ

1枚を5枚に切り分けます

そうすると 1尺5寸x8寸の板になります

これを 小板と呼びます

小板と小板をつないでるハゼを 縦ハゼと呼び

画像で横に折ってある ハゼの途中を 横ハゼと呼んでます


小板を切り落としたらまず 5分の縦ハゼを折ります

縦ハゼを折り終えたら 小板をハゼで繋いでいきます

小板を4枚繋いで 6分の横ハゼを折ったら一本完成です


小板に5分のハゼをつけると

働き幅1尺3寸5分になり

4枚繋げると 5尺4寸の働きになります

最後に6分のハゼをつけると

5尺4寸x6寸2分の働きを持つ平葺の材料が 出来上がります

屋根でこの材料で葺くと 板厚の影響やわずかに緩みを持たせるため

実際は6寸1分くらいの 仕上がりになります


30坪の屋根を葺くのにどれくらいの材料が必要か

この平葺1本あたりの働き面積は 0.0915坪

1坪当たり10.92本

30坪で327.86本

破材等を考えると 335本から340本必要になります

これを小板の枚数で考えると

340x4=1360枚

この材料を使う家はもっと大きな家が多いので

小板2000枚3000枚以上の仕事も ざらにあり

手動の折り曲げ機を使いハゼを折りますが

仕事とはいえ正直 途中で飽きてしまうこともあります


今回は定尺板を5枚に切り落しての作り方ですが

他にも 

2尺x7寸5分に切り落とす4枚取り

1尺5寸x6寸6分に切り落とす6枚取り など

たくさんの 板取方があり要望 

状況により使い分けてます



 





屋根屋です

神奈川県小田原市で 村田板金工業所の屋号で建築板金を 営んでいます。

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